💧流速流向測定

📍1. 概要

地下水流速流向計は、ボーリング孔内の地盤付近における地下水の 流速と流向を電位測定方式で把握する装置です。
孔底に設置された電極を用いて、試験液(蒸留水)の移動挙動を電位変化として捉え、 その結果から地下水の流れを解析します。

装置の全体構造はシンプルながら、電極の配置・基準方位設定などを工夫することで、 地下水の動きを高精度に検知できる点が特徴です。

⚙️2. 原理

測定器の中央電極から試験液を注出すると、地下水の流れによって液が移動し、 各電極間の抵抗値が時間経過とともに変化します。 この変化を電位として捉え、データ記録装置にΔV-t曲線として出力します。

電極部は12本の電極を30度間隔で円形に配置し、中央に共通電極を設けています。 定方位ロッドによって1番電極を磁北に合わせてあるため、電極ごとの電位変化を解析することで 流向はベクトル方向流速はピーク時間から推定可能です。

🧪3. 測定

start → 測定器組立 → 作動チェック(機器点検) → 孔内設置(電極周囲に硅砂充填) →
パッカー加圧(上下流を遮断し乱流防止) → 放置(設置による乱れを消散) →
試験液開放 → 測定開始(地下水との接触・移動を検出) →
自動記録(電位変化を継続収録) → 測定終了(流向・流速判定) → 測定器回収 → end

📊4. 流速と流向の算出

記録データはまずΔV-t曲線として整理され、さらに各時間ステップごとに 試験液流動図(円グラフ)を作成します。
この流動図は、試験液の拡散と流れを可視化したもので、最大電位の卓越方向を ベクトルとして捉えることで流向を特定します。

(1-1) Vo = X / t
ここで、X = 電極間距離の1/2(0.6cm)、t = ピーク時間(sec)

この式で求まる流速Voは電極内部での値に過ぎず、 地盤内の真の流速とは異なります。そこで、対象地盤の有効径に基づく 補正係数βを用いてダルシー流速 Vdを算出します。

(1-2) Vd = β × Vo

以上により、電位データから地下水の方向と速さを高精度に導出することができます。