地下水流速流向計は、ボーリング孔内の地盤付近における地下水の
流速と流向を電位測定方式で把握する装置です。
孔底に設置された電極を用いて、試験液(蒸留水)の移動挙動を電位変化として捉え、
その結果から地下水の流れを解析します。
装置の全体構造はシンプルながら、電極の配置・基準方位設定などを工夫することで、 地下水の動きを高精度に検知できる点が特徴です。
測定器の中央電極から試験液を注出すると、地下水の流れによって液が移動し、 各電極間の抵抗値が時間経過とともに変化します。 この変化を電位として捉え、データ記録装置にΔV-t曲線として出力します。
電極部は12本の電極を30度間隔で円形に配置し、中央に共通電極を設けています。 定方位ロッドによって1番電極を磁北に合わせてあるため、電極ごとの電位変化を解析することで 流向はベクトル方向、流速はピーク時間から推定可能です。
記録データはまずΔV-t曲線として整理され、さらに各時間ステップごとに
試験液流動図(円グラフ)を作成します。
この流動図は、試験液の拡散と流れを可視化したもので、最大電位の卓越方向を
ベクトルとして捉えることで流向を特定します。
この式で求まる流速Voは電極内部での値に過ぎず、 地盤内の真の流速とは異なります。そこで、対象地盤の有効径に基づく 補正係数βを用いてダルシー流速 Vdを算出します。
以上により、電位データから地下水の方向と速さを高精度に導出することができます。