🌊 PS検層 サスペンション方式

📍 1. 概要

PS検層(P波・S波検層)は、地盤の力学的特性を評価するためにボーリング孔を利用して地盤内の波速度を直接測定する手法です。P波(縦波)は地盤の圧縮・膨張によって伝わり、含水状態や硬さに敏感です。一方、S波(横波)はせん断変形で伝わり、含水状態の影響をほとんど受けず、地盤の強度や剛性を評価する際の重要な指標となります。

PS検層によって得られる情報は以下の通りです:

  • P波速度(Vp):地盤の硬さ、含水状態、弾性率に影響される
  • S波速度(Vs):地盤のせん断剛性や変形特性に強く相関する
  • 密度(ρ):Vp・Vsと組み合わせて剛性率やヤング率を計算可能

この測定結果は耐震設計、建物基礎の設計、地震時の応答解析など、実務上非常に重要です。特にS波速度は地盤のせん断剛性を直接反映するため、構造物の安全性評価に欠かせません。

さらに、PS検層は表面波(レーリー波・ラブ波)やP波・S波の分布を解析することで、浅部・深部の地盤構造を高精度で把握でき、分解能の高い速度構造図の作成が可能です。

図1 波の伝播と質点運動
図1 波の伝播と質点運動

🛠️ 2. 測定

PS検層の測定は、地上測定装置と孔内装置(プローブ)で構成されます。地上装置は測定器・ウィンチ・コントローラー・シーブからなり、微弱信号を積算してノイズを低減するスタッキング機能を備えています。これにより、複数回の打撃信号を重ね合わせ、鮮明な波形データを取得できます。

孔内装置(プローブ)は、受振器・フィルターチューブ・振源・ドライバー・ウエイトなどで構成され、SH波を中心に高精度で測定します。孔径やプローブ設置方法に応じて、深部測定の分解能や精度が変化します。

  • 地上測定装置:測定器、ウィンチ、コントローラー、シーブ。スタッキングにより微弱信号を増幅。
  • 孔内装置(プローブ):水平2成分・鉛直1成分の受振器で波を忠実に記録。
  • 振源:P波は地表打撃、S波は板叩き法で発生。
  • 測定手順:深度ごとにノーマル方向・リバース方向で複数回測定し、初動を解析。
図2 PS検層 測定概念図
図2 PS検層 測定概念図(サスペンション方式)

📊 3. 解析

測定で得られた上部・下部受振器のP波・S波到達時間差(⊿Tp、⊿Ts)から、1m区間ごとの速度(Vp、Vs)を計算します。 走時データは深度方向に整理され、補正を加えた上で速度構造図を作成します。

解析によって得られる情報は以下の通りです:

得られたデータは速度構造図として整理され、建物基礎の設計や地震時の応答解析に直接利用されます。