🌊 PS検層

📍 1. 概要

弾性波には P波(縦波)S波(横波)、さらに表面波(レーリー波・ラブ波)がある。 PS検層ではボーリング孔を利用して P波とS波の速度を直接測定 し、地盤の力学的特性を把握する。

P波は媒質の圧縮と膨張によって伝播し、岩盤や土の含水状態に敏感である。一方、S波は媒質のせん断変形で伝播し、含水の影響をほとんど受けない。 このため、S波速度は地盤の強度・変形特性と最も良い相関を持つ とされ、耐震設計や地盤評価に必須のパラメータとなっている。

図1 波の伝播と質点運動
図1 波の伝播と質点運動

🛠️ 2. 測定(ダウンホール方式)

図2
図2 PS検層 測定概念図        (ダウンホール方式)

地上測定装置

記録装置は増幅器・A/D変換器・スタッキングユニットを備え、微弱な信号を積算してノイズを低減する。これにより数十回以上の打撃を重ね合わせ、鮮明な波形を得ることが可能となる。

孔内受振器

孔内に設置する受振器は3成分センサー(水平2・鉛直1)が一般的である。ゴムパッカーを膨張させ孔壁に密着させることで、地盤からの振動を忠実に記録できる。

振源

P波は地表でのハンマー打撃や金属円盤で発生させ、S波は「板たたき法」により水平方向のせん断波を発生させる。板の両端を交互に叩くことで位相反転が得られ、初動の判定が容易となる。

    

📊 3. 解析

記録された波形から最初に到達するP波とS波の初動を読み取り、各深度における到達時間を整理する。 振源と受振点が地表と孔内でずれているため、その幾何的な位置関係を考慮した走時補正が必要となる。

走時が補正されたデータを深度に対して並べると「走時曲線」が描かれる。 この曲線は直線的な傾向を持つ区間に分けられ、各区間ごとに勾配が一定とみなされる。

勾配の大小は波の伝わる速さを示しており、地盤の硬さや密実さの違いを反映している。

深度ごとのP波・S波の速度分布をまとめることで「速度構造図」が得られる。 特にS波速度は地盤のせん断剛性や耐震性を評価する際の重要な指標となり、 建物基礎の設計や地震時の応答解析に直接利用される。

図3
図3 補正走時の求め方
図4
図4 走時曲線