📡 常時微動測定

📍1. 測定

1-1 概要

常時微動とは、私たちが普段意識しないレベルの小さな振動であり、交通機関の走行音や工場の稼働といった 人工的な振動、さらに潮汐・波浪・火山活動といった 自然現象による振動が複雑に重なって生じます。 その振幅は数 μm/s と非常に小さく、周期は 0.1 秒から数秒の範囲に収まります。

このうち周期 0.1~1 秒程度の微動を「常時微動」と呼び、主に人工振動が原因となります。 一方で周期 1~5 秒のものは「やや長周期微動」と呼ばれ、潮汐や波浪など自然現象が主因です。 常時微動は一見すると不規則な揺れですが、その中には地盤固有の特性が反映されており、 特に卓越周期は地震時の地盤の卓越周期と強い相関を持つことが知られています。

このため常時微動測定は、地震時に地盤や構造物がどのように揺れるかを推定する有力な方法とされています。 表層地盤の性状を評価する際には常時微動(0.1~2 秒帯域)が対象となり、 高層建築物の地震応答を考える場合には、その固有周期(1.5~5 秒程度)に対応する「やや長周期微動」の観測が特に重要です。

1-2 測定装置と方法

常時微動の観測には、水平動 2 成分(南北・東西)と上下動成分を同時に記録可能な 3 成分微動計を用います。 測定は地表および地中の両方で行われ、複数の周期帯をカバーすることで、より精度の高い解析を行うことができます。

地表では 1 秒計と 5 秒計を設置し、それぞれ短周期帯と長周期帯の観測を行います。 地中では所定深度に 1 秒計を設置し、表層の影響を受けにくい記録を取得します。 これにより、表層から深部までの地盤特性を多角的に把握することが可能となります。

  1. 測定機器を設置し、水平動成分が南北(NS)、東西(EW)の方向に正しく合わせられているか確認。
  2. 地中微動計を指定深度に設置し、配線・調整を実施。
  3. 地表 1 秒計、地中 1 秒計、地表 5 秒計の 3 台を稼働させ、断続的に測定を行う。
  4. 測定記録を収録し、異常の有無を確認。
  5. 解析に必要な記録長を満たしているか確認:
    • 1 秒計 → 40.96 秒以上
    • 5 秒計 → 81.92 秒以上
    必要条件を満たした場合に測定を終了。

このような観測データは、地盤の固有周期の推定、地震動の増幅特性の評価、さらには建築物の耐震設計や防災対策の基礎資料として広く活用されます。